運動方程式から角運動量と力のモーメントの関係を求めてみよう!

こんにちは、“物理は暗記ではない”をモットーに書いています、しょーまです!!

 

前回は運動方程式から力学的エネルギー変化と仕事の関係を導くことができることを学びました。

 

今回は運動方程式から角運動量と力のモーメントの関係を求めてみましょう。

 

ここでみなさんには、ベクトルの外積というものをまずは学んでいただきたいです。

 

高校物理において、角運動量が出題される問題は決まっていますし、もし自力で高校範囲外のことを学ぶのは嫌だという人は今回のブログだけ読み飛ばしてもらっても構いません。

 

外積のことを学んだということを前提に話していきます。

 

前回と同様に運動方程式を変形していきましょう!!

 

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この表記だとわかりにくいので加速度は速度を微分したものだということを用いて、

 

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ここで、左辺と速度ベクドルvまたは位置ベクトルrのベクトル積(外積)をとって何か導けないか考えてみましょう。

(文中におけるベクトル表記は太文字で表します。)

 

まずは左辺と速度ベクトルv外積をとるとどうなるでしょう。

 

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ここで、真ん中の項において、v×v0であるから、

 

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これは、a×b=−b×aというベクトルの外積だけを表しており、なにも得られません。

 

次に、左辺と位置ベクトルrの外積をとってみましょう。

 

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同様に一番右の項においてv×v0であるから、

 

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したがって、運動方程式において外積をとると、

 

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mvは運動量なので、mv = p とおくと、

 

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となります。ここで、r×pLとして、角運動量とよび、r×Fを力のモーメントといいます。。

 

やっと、角運動量と力の関係を導出できました。高校で勉強しない外積で混乱した人もいたでしょう。ひとまずこういう関係が成り立つということだけ理解してもらえればオッケーです。

 

さて、今までのブログでは粒子の運動方程式とそこから導ける3つの性質、

・運動量変化と力積の関係

・力学的エネルギー変化と仕事の関係

角運動量と力のモーメントの関係

を学びました。

 

次回から、もしその粒子がたくさん集まったら、どうなるのかを勉強していきましょう。

 

つまり質点の運動しか今まで扱ってきませんでしたが、物体の運動について次回から考えていきます。