Nコの粒子をあつめたらそれらの運動エネルギーってどうなるの?
こんにちは、“物理は暗記ではない”をモットーに書いています、しょーまです!!
前回はNコの粒子を集めた場合における、運動量はどうなるか考えました。
今回はNコの粒子を集めた場合における、運動エネルギーについてどうなるか考えていきます!
ここの単元は長いので3回に分けて説明します。
ここで改めてn番目の粒子1つの運動方程式は以下の通りです。
(真ん中の項は粒子mが粒子nに与えた力をFnmとして、他の粒子がn番目の粒子に及ぼす力(内力)を表します)
運動エネルギーを求めるときは、速度ベクトルvを運動方程式の各項にかけたのはおぼえていますよね。
(もし覚えていなかったら“運動エネルギーを求めてみよう”をみてください)
よってn番目の粒子の速度ベクトルをvn(太文字はベクトルを表します。)としましょう。
すると、
ここで左辺において
したがって、
ゆえに
これをn=1〜Nまで足すと、
このとき、
は内力の仕事率、
は外力の仕事率を表します。
よって全粒子における運動エネルギーの変化は、内力の仕事率と外力の仕事率によって決まることがわかります。
次回は内力の仕事率から何がわかるか、その次の回は外力の仕事率からわかることはなにかを考えます。
Nコの粒子をあつめたらそれらの運動量ってどうなるの?
こんにちは、“物理は暗記ではない”をモットーに書いています、しょーまです!!
今回はNコの粒子を集めた場合における、運動量はどうなるか考えていきます!
前回少し学習した重心について考えてみましょう。
重心は
と表せます。
これを変形すると、
これはどんな意味を示すかわかりますか?
これは重心からみた各粒子の位置ベクトルに質量をかけた合計は0(太文字はベクトルを表します)になることを示しています。
これを微分する(mは質量であり定数であるため微分には影響を及ばさず、rn−rGをひとかたまりと見て微分する)と、
となります。
左辺は重心からみた各粒子の運動量(内部運動量)を表し、これはどんなときも0であることを意味しています。
逆にいえば、粒子を相対的にみてその運動量が0になっている点を重心というのです。
また、前回のときに話したNコの粒子を集めた場合の各粒子の運動方程式をNコ足した式を覚えていますか?
加速度aは速度vを微分したものだから、
となり、n番目の粒子の運動量とPnとおくと、
と変形できます(なぜこの変形ができるか忘れてしまった人は運動方程式から“運動量を求めてみよう“をみてみてください!)
この式より、粒子同士が及ぼしあう力(内力)は含まれていないので、全粒子の運動量は全外力のみによってきまることがわかります。
今回は2つ重要なことがあります。
・重心からみた各粒子の運動量(内部運動量)はどんなときも0である
・全粒子の運動量は全外力のみによってきまる
次回は各粒子の運動方程式をNコ足した式から運動エネルギーについて考えていきたいと思います。
粒子がいっぱいあつまったとき運動方程式を足すとどうなるの?
こんにちは、“物理は暗記ではない”をモットーに書いています、しょーまです!!
前回は質点をいっぱい集めて、粒子がいっぱい詰まったときのn番目の運動方程式について考えました。
n番目の運動方程式はどのように表されるか覚えていますか?
とあらわせましたね!
これを今回はn=1〜Nまで足していきましょう。
と表せます。
ここで作用反作用の法則により、
であるため、
となります。
よって、n=1〜Nまで足した運動方程式は、
となります。
ここで
とすると(これは後々学習しますが重心を表します)
加速度aは位置rを二回微分したものだから
したがって、
よってn=1〜Nまで足した運動方程式は
となります。
次回はなぜこのような変形を行ったか説明します。
nコの質点を集めた時の運動方程式は?
こんにちは、“物理は暗記ではない”をモットーに書いています、しょーまです!!
前回までは質点について学んできまた。今回からはその質点をいっぱい集めて、そのときの運動方程式について考えましょう。
質点における運動方程式は覚えていますか?
これでしたね。
いまから質点をいっぱい集めます。そのときには質点の一つ一つに運動方程式は成り立つので、わかりやすいようにn番目の粒子の運動方程式を次のように表しましょう。
ここで質点をNコ集めてそれらの運動方程式を考えるとします。
そのとき、n=1、2、3、・・・Nとなります。
一つ注目して欲しいのがn番目の粒子に作用する力です。このとき、力は他の質点(n=1、2、3、・・・、n−1、n+1、・・・、N)がn番目の粒子に及ぼす内力とそれらの粒子以外から受ける外力に分けることができます。
m番目の粒子がn番目の粒子に及ぼす力をFnmとすると、他の全質点がn番目に及ぼす力はmを1〜n−1、n+1〜Nまで足したのもになりそれを
と表すと、これはn番目の粒子が他の粒子から受ける内力です。
N番目の粒子が粒子以外から受ける力を
と表すと、これは外力になります。
よって、n番目の粒子の運動方程式は次のように力の部分を変形できます。
と変形できます。
よってn番目の粒子の運動方程式は
次回はこの運動方程式をn=1〜N番目まで足していきたいと思います。
楽しみにしといてください!
運動方程式から角運動量と力のモーメントの関係を求めてみよう!
こんにちは、“物理は暗記ではない”をモットーに書いています、しょーまです!!
前回は運動方程式から力学的エネルギー変化と仕事の関係を導くことができることを学びました。
今回は運動方程式から角運動量と力のモーメントの関係を求めてみましょう。
ここでみなさんには、ベクトルの外積というものをまずは学んでいただきたいです。
高校物理において、角運動量が出題される問題は決まっていますし、もし自力で高校範囲外のことを学ぶのは嫌だという人は今回のブログだけ読み飛ばしてもらっても構いません。
外積のことを学んだということを前提に話していきます。
前回と同様に運動方程式を変形していきましょう!!
この表記だとわかりにくいので加速度は速度を微分したものだということを用いて、
ここで、左辺と速度ベクドルvまたは位置ベクトルrのベクトル積(外積)をとって何か導けないか考えてみましょう。
(文中におけるベクトル表記は太文字で表します。)
まずは左辺と速度ベクトルvの外積をとるとどうなるでしょう。
ここで、真ん中の項において、v×vは0であるから、
これは、a×b=−b×aというベクトルの外積だけを表しており、なにも得られません。
次に、左辺と位置ベクトルrの外積をとってみましょう。
同様に一番右の項においてv×vは0であるから、
mvは運動量なので、mv = p とおくと、
となります。ここで、r×pをLとして、角運動量とよび、r×Fを力のモーメントといいます。。
やっと、角運動量と力の関係を導出できました。高校で勉強しない外積で混乱した人もいたでしょう。ひとまずこういう関係が成り立つということだけ理解してもらえればオッケーです。
さて、今までのブログでは粒子の運動方程式とそこから導ける3つの性質、
・運動量変化と力積の関係
・力学的エネルギー変化と仕事の関係
・角運動量と力のモーメントの関係
を学びました。
次回から、もしその粒子がたくさん集まったら、どうなるのかを勉強していきましょう。
つまり質点の運動しか今まで扱ってきませんでしたが、物体の運動について次回から考えていきます。